silent #4

 

こんばんは。

そこら辺の目黒担です。

 

技量のない私には感想を140字に収めることが不可能と悟り、今回はちゃんと放送翌日からブログを書き始めています。

5話放送までに出せればいいな。

 

 

さて、それではさっそく色々なことがありすぎた4話について話していきたいと思います。

 

 

 

目次

 

 

 

湊斗が想と向き合うシーン

 

「ごめん。紬機嫌悪くて。」と言う湊斗に「何か食べ行ったなら大丈夫。」という付き合ってたから、付き合ってるからこそわかり合える紬の性格。

どうしても話は今を辿っているので回想シーンからはわからなかった紬と想が付き合っていた頃の2人の様子が見えるシーンだなと思った。

その後の「そう、お腹減ってるとね余計に」の言葉を見て懐かしそうに笑う想を見て改めて紬と想の記憶は過去で紬と湊斗の記憶は今であることを突きつけられているシーンだなと思った。

 

 

思い出話に花を咲かせているうちに昔に戻ったような感覚になってUDトークまで声が届かない場所で湊斗が話してしまうシーンで、徐々に音が消えて想の世界に視聴者を一瞬触れさせる演出にゾッとした。

何かを言ってるのに何を言ってるのかわからない、懐かしそうに楽しそうに何かを話しているのに聞くことができないもどかしさを感じた。

また、このシーンでは徐々に音が消えて最終的に無音になるけど想はこの徐々に音が小さく聞こえなくなっていく段階を一段ずつ着実に踏んで実感していたことを思うといつ全部の音が全く聞こえなくなるかわからない状況にひどく不安や恐怖を感じたんじゃないかなと思うと胸が締め付けられる。

 

 

声で湊斗と呼びかけるシーン

 

耳が聞こえなくなってから家族の前でしか声を出さなかった想が家族以外の人の前で声を出したのが紬ではなく湊斗の前だったのがいいなと思った。

「声で話そうか?」と言う想に対して「喋りたくなかったから喋んなかったんでしょ。だったいいよ、想が好きな方で。」と言う湊斗。

この2人は似た者同士なんだろうなと思った。

優しさの質は違うけど、常に相手のことを思って気遣って相手がして欲しいと思うことをしてあげようという人間の根っこの部分が似ているから2人は親友だったのかな。

 

そしてこの3年間の紬の様子を聞いて何か言いたげに少し複雑そうに笑う想の表情が胸を締めつける。

高校時代に言葉を題材にした作文の中で言葉な何のためにあるのか、言葉で想いを紡ぐことへの考えを述べていた想が今自分の本当の想いを言葉にすることを諦めてしまっている背景を想像すると胸が苦しい。

 

 

湊斗と紬がソファで話すシーン

 

ここから少しずつ聴者である紬と湊斗と中途失聴によりろう者となった想との間で感覚のズレを感じるようになってくる。

 

「想があんな感じなら、こっちも気を遣わなくていいっていうか。」

このセリフはとても残酷だなと思った。

湊斗の言う"あんな感じ"の中に想の気持ちは入っていない。言葉を発さずにただ話を聞いて微笑みながら頷く想の表面的な部分を見て"あんな感じ"と言っている。湊斗と紬は頭の中では想の耳が聞こえないことを理解しているけど、耳が聞こえないことがどういうことなのか本質をあまりわかっていないように思えた。

 

公園で湊斗と紬、想と奈々が会うシーン

 

初めて想が湊斗と紬が付き合っているという事実を目の当たりにするシーン。

手を繋いでいる2人を見て複雑な表情を浮かべる想。奈々から紬に彼氏がいること、彼氏は想の知ってる子なのか聞かれた時に「昔の友達」から「友達」に変わっていて湊斗と想もまた心を通わせたことを表している。

8年前から変わらないものと変わってしまったものに胸が痛くなった。

 

 

美央と奈々の会話のシーン

 

何気ない会話の中で美央が放った

「しょうがないよ私たちと違うもん。」

という言葉がとても切ない。

生まれた時から難聴を患っている人から見たら想は"つい最近まで聞こえてた人"で"理解し合えないことあって当たり前"と線をひかれてしまっている。高校の友達からも耳が聞こえないことによって気を遣われてそこでも線をひかれてしまっているわけで、今想のことを本当に理解してあげられる人が周りに誰もいないし、そのことに誰も気がついていない。

想の心の孤独は8年前から今でもずっと続いているのが苦しい。誰か救ってあげてほしいと切に願う。

 

 

春尾と澤口先生の会話シーン

 

これまで謎に包まれていた春尾の考えに触れるシーン。

澤口先生にいつも一線引いてるのははなぜと聞かれ

「特別扱いはもちろん違うしただ平等に接することが正解だとも思わないんです。

手話ができるってだけでわかった気になりたくないんです。」

と答える。

春尾はいつも話の中で視聴者側の形にならないぼやけた考えを明確にしてくれる人物のように感じる。だからこそ春尾のセリフが毎回印象的に感じるように思う。普段無意識的に偏った目線で考えがちなことを簡潔かつ明確に指摘されているような気分になる。

このドラマの中で春尾は間接的に想の気持ちや立場を聴者側に考えさせたりイメージさせる役割を担っているように思う。

 

 

想の通訳として紬をフットサルに誘うシーン

 

春尾の言った「手話ができるってだけでわかった気になりたくないんです」という言葉が効いてくるシーンのように思える。

湊斗は手話ができる紬がいれば想の安心材料になるからと言うけど、想が不安に思うのは友達が言っていることが理解できないことではなく友達に気を遣わせてしまうこと、人に迷惑をかけてしまうこと。

つまり久しぶりに話した時に昔と全然変わっていないと感じたってだけで湊斗は想のことをわかった気になってしまっているということ。そこに想からの言葉は一つもないのに。

こうして少しずつ湊斗と紬、想の間で生じている感覚のズレを感じて不安でザワザワした気持ちになった。

 

 

光と湊斗の電話シーン

 

唐突に湊斗から「手話を覚えたら?」と言われて察する光。

光も3年間近くで紬と湊斗を見守ってきたからこそ湊斗の隠れた気持ちに気がついて離れていかないでの意味を込めて「何でそんなこと言うの?」って言ったのかな。

 

 

フットサル場に来た想

 

楽しそうに盛り上がって準備している友人たちを見て気を遣わせるから帰ると言う想。

それに対して仲良かったみんなだから大丈夫と励ます紬。

ここに少し違和感を感じて、想は紬や湊斗に心配かけさせたくないから関係を突然切って上京する時に自分を責めるお母さんにごめんねと謝っていてとにかく人に迷惑だったり心配をかけさせたくないと思っているように感じる。

だから想はみんなとまた前みたいに話せなくて気を遣わせてしまうからと言ってるのではなく仲良かったみんなだからこそ耳が聞こえなくなった自分が中に入っていって気を遣わせたくないといってるのではないかなと思う。

そもそも想はまた前みたいに高校の友達と話したいとは言っていないし、フットサル場に来るのも否定的だった。当事者である想を取り残して周りの気遣いで話が進んでしまっている状況を想はどう思っているのか。圧倒的に想の気持ちを耳を傾ける人の少なさを感じた。

 

また、古賀先生に

「ごめん。何もしてやれなくてごめん。」

と言われた時にそんなことないと言わんばかりの表情で首を横に振る想。紬に通訳をしてもらったわけではないので口パクで何を言っているかが伝わっているということだと思うんだけど、逆を言えば口の動きだけでわかるようになるほどたくさん「ごめん」と言われてきたのかもしれないと思うと胸が痛んだ。

 

 

 

高校時代の友達と合流するシーン

 

想が高校時代にどれだけ慕われていたかがわかるシーン。

あんなに冷たいことを言っていた拓実が1番最初に想にハイタッチを求めて「元気そうじゃん」って言っていて今までの発言は拓実なりに湊斗のことを気遣っての発言でもあり、本音の部分でもあったのかなと思った。言っていいことと悪いことがあるけどね。

 

 

湊斗が紬に別れを切り出すシーン

 

8年前に想に言われた「好きな人がいる。別れてほしい。」を8年後に湊斗に同じことを言われるなんとも残酷なシーン。

湊斗の「好きな人がいるから」には紬はもちろん想も含まれているし、紬に好きな人がいるから、想に好きな人がいるからと言っているようにも思えた。

「好きな人がいる」という魔法のコトバを8年越しに当時と人や状況は違えど今好きな人から言われる紬の心情を思うと胸が痛くなった。

 

 

湊斗と想が話すシーン

 

この3年間行きたいところ、食べたいもの、欲しいものを全部紬の好きでいいよと紬に委ねていたからつまらなかったと思うと話す湊斗。

紬の行きたがるところ、食べたがるもの、欲しがるもの全てに想の面影を感じながら3年間を過ごしていたのかもしれないと思い苦しくなった。

1話で湊斗が「想に青羽いらないからあげるって言われたからもらった」と古賀先生に話していたところの"もらった"という言葉に違和感を感じていた。

湊斗も紬も自分の意思で付き合ったはずなのにまるで紬が想の"お下がり"とも取れるような言い方。

あれは紬と湊斗の交際がぬるっと始まったこと、常に自分に自信がない湊斗が紬の好きでいいよと委ねることしかできず紬の中に新しい好きを作り出してあげられなくて、紬が教えてくれる好きは想と分かち合った好きだったから結局自分は想からとの思い出のお下がりに共感することしかできなかった3年間の苦しい思いが込もった言葉だったのかなと思った。

 

今までずっと紬のために、誰かのために優しさを使っていた湊斗が初めて自分のために使う優しさが紬との別れだなんてあまりにも切なくて残酷な優しさだと思った。

 

だけどこの優しさは少しひとりよがりな優しさのようにも思える。その決断の中に紬の気持ちも想の気持ちも何もない。ましてや紬は想のことを好きだったけど今はちゃんと湊斗のことを見て湊斗のことを好きなのに。

 

別れる決断をしていることを察して「耳聞こえないんだよ」と言う想に「耳聞こえないだけでしょ」と言う湊斗。ここはかなり残酷だと思った。湊斗や紬、高校の友人から見た想は耳が聞こえないだけで他は何も変わってなくて、呼んだら振り向いてくれそうだけど想にとっては心配させたくない理由があったとしても交友関係を全て切る選択をするほどのことで。

湊斗と紬が別れても耳は聞こえないままで声で話すことはできない、元に戻ることができないその苦しみをわからない、わかるはずのない聴者側が"耳が聞こえないだけ"と言うのはあまりにも残酷で身勝手だと思った。

だけど湊斗にも紬といた3年間に苦しみや葛藤があったのも事実で。逆に紬は湊斗といた3年間は本当に楽しくて湊斗のことをちゃんと好きなのも事実。

 

4話は全体的にお互いがお互いの気持ちに寄り添っているようで寄り添えていないことが浮き彫りになっているなと思った。登場する全員が優しさを持ち合わせていて周りを気遣い相手の気持ちを察そうとする人たちだからこそ生じてしまう認識のズレ、思い込み、誤解の数々。

この先どうなるかはわからないけど、とにかく紬と湊斗はもう一度ちゃんと話し合ってほしいしもっと想の声を聞いてあげてほしい。

そして誰が誰と一緒になればいいというよりも3人が3人の感じる幸せを手に入れてほしいと強く感じた4話だった。

 

 

4話感想はここまでです。

かなり個人的主観に溢れた感想になってしまいました、反省。

ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。次の木曜日までかなり長い道のりですが一緒に乗り越えましょう。

それではまた次があればお会いしましょう。

さようなら!!!!!